がんの診療

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腫瘍とは?

体の表面や体内にできるいわゆる"しこり"を腫瘤と呼びます。その中で、細菌などの感染によるものや、正常な組織が増殖したもの(過形成・肥厚など)など以外のしこりを腫瘍と呼びます。

腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍(癌・肉腫など)があります。良性腫瘍では、転移することがなく、大きくなる速度もゆっくりです。しかし、悪性腫瘍では、一般に増大速度が速く、周囲の組織に浸潤し、 肺などに転移することもあります。

このため、治療を開始する前にしっかりとした診断を行うことが重要です。

腫瘍の診断手順

腫瘍(特に悪性の場合)は、下記の手順で診断します。

腫瘍の大きさ・浸潤度

腫瘍の大きさや、周囲組織との関連を調べます。体の表面の腫瘍では触診が重要です。また、体内のものは、レントゲン検査、超音波検査により確認します。また、細胞診検査を行うことにより、腫瘍・非腫瘍の鑑別や、良性・悪性の鑑別などができる場合があります。

これらにより、手術の必要性や可否、手術の範囲、難易度などを把握します。

所属リンパ節の確認

腫瘍のリンパ節浸潤や、細菌の感染などによって、リンパ節は大きく腫れます。体の表面のリンパ節は触診により確認します。また、体内のリンパ節は、レントゲン検査、超音波検査により確認します。

リンパ節の大きさや、硬さなどを確認し、必要であれば細胞診検査を行い、腫瘍浸潤の有無を確認します。

これにより、腫瘍の進行度などを把握します。

遠隔転移の確認

原発の腫瘍より離れた場所で同じ腫瘍細胞が認められることを、遠隔転移といいます。腫瘍により転移しやすい部位がありますが、肺や、肝臓、脾臓などが転移しやすい場所です。また、骨に転移が認められることもあります。

レントゲン検査や、超音波検査によって、遠隔転移の有無を確認します。これにより、腫瘍の進行度などを把握します。

全身状態の確認

血液検査や、尿検査、その他必要な検査を行い、全身状態を確認します。これにより、

  • 全身麻酔が可能かどうか?
  • どのような麻酔リスクがあるのか?
  • 輸血の準備が必要かどうか?
  • 使えない薬剤はないか?
  • 抗がん剤は使えるかどうか?

などを把握します。

つまり、腫瘍診断のためには、身体検査(触診・聴診など)、胸部・腹部レントゲン検査、超音波検査、血液検査などの検査が最低限必要です。

これらを把握することにより、患者さんにとって、ベストだと思われる治療法を判断します。

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細胞診検査とは?

注射針を使って行います。しこりに細い注射針を刺し、その針の中に取れてくる細胞を、顕微鏡で観察します。

それにより、ただの感染で腫れているだけなのか、それは良性・悪性のどちらなのか、どのような腫瘍が疑われるのか、などを判別します。

腫瘍により、その正確性は変わりますが、細胞診だけで診断のできる腫瘍もありますので、リスクがほとんどない検査ですから、多くの場合は実施します。

細胞診検査にて、悪性が疑われる場合や、手術前に腫瘍の種類を把握したい場合には、少し太い針を使って、病理組織検査を行うことがあります。

病理組織検査とは?

通常、専用の少し太い注射針などの器具をを使って行います。 細胞診検査よりも多くの組織が採取できますので、 良性・悪性の鑑別や、その種類まで、より高い精度での診断が期待できます。ただし、腫瘍のすべてを見るわけではないので、100%の診断精度は期待できません。 しかし、全身麻酔をかけずに検査できる、比較的リスクが低く、有用な検査です。

手術前に、 あらかじめ腫瘍の種類がわかっていれば、手術の方法や範囲の決定、その予後の把握まで、ある程度推測することができます。

総合判断

上記の検査を行って、初めて、どのような治療法が、患者さんにとってベストなのかを判断します。

たとえば、体の表面にがんが見つかり、簡単に手術ができるケースがあったとします。しかし、すでにそれが肺に転移しているようなことがあれば、全身麻酔をかけて、手術を行うのは得策ではありません。(がんから出血して、生命の危険を及ぼしているような場合は別ですが・・・)

このように、がんの診断には多くの情報が必要です。そのためには多くの検査が必要となります。中途半端な検査では、中途半端な診断・治療しかおこなえません。

しっかりとした診断・治療をおこなうためには、多くの検査が必要であることを、覚えておいてください。